ライティングの基本!30秒で3パターンを撮る方法
先日、女子格闘家のKINGレイナ選手を撮影した際に、彼女がヘアメイクをしている間の隙間時間で「友達のくまちゃん」を借りてちょっと撮らせてもらいました。
今回はこのくまちゃんに手伝ってもらい、白ホリのスタジオライティングで手間なく3つのバリエーションが撮れますよ!って話をしていこうと思います。
まずは上の写真を見ていただきたいのですが、印象の異なるこの3つの写真は、実はカメラの設定もライティングの位置も移動させたりはしていないんです。
では、なぜこんなに違いがあるのか?実は難しいことはなく、ストロボの電源をオンにしたりオフにしたりしているだけなんです。
あまり慣れていない方は、「たくさんストロボを設置して撮ったほうが複雑でかっこいいライティングになるだろう」と、いきなり色々なところに、あるだけのストロボを置きまくってみたりします。なんとなくかっこいい写真が撮れた!みたいに満足しちゃうのですが、多ければいい物ではなく、むしろ必要最低限の少ないストロボで、カポックやレフといった反射板でその光を反射させたりした方が、結果として事故も手間も少なく玄人っぽい写真になります。
ストロボライティングも、ロケ撮影も、基本的な考え方は同じです。中には、「太陽は一つ」という理由で、1灯ライティングにこだわる写真家もいます。
いくつかのストロボを駆使した撮影の際も1灯ずつ発光させてみて、一つ一つの光がどのように影響しているのか確認してみましょう。
雑誌や広告などの写真を見る際は、どんなライティングを組んでいるか予想しながら見てみてください。予想したって答え合わせができないじゃん!って思うかもしれませんが、写真を拡大してよーくみてみると、モデルさんの瞳の中にライティングが写ってたりしますよ!
今回は包み隠さずライティングを公開、解説していきますので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
違いを見てみましょう!
こんな感じに配置してみました。伝わりやすくなればと思い、配置図を手書きで作ってみたのですが、絵心についてはスルーしてください。(笑
A. ビューティー撮影には欠かせないオパライト(ビューティーディッシュともいう)を8時方向に設置。被写体からは20センチくらい離します。
B. 背景となる白ホリに向けて1灯設置。
その他、3時方向に白カポック(大きいレフ板みたいなやつ)を立てています。
カメラの設定は下記の内容で固定しました。
◆SS:1/160
◆F値:11
◆ISO:400
AとB両方発光させると、上の写真のような白ホリっぽい明るい写真になります。一般的に最も使いやすく商品撮影でもモデル撮影でも使えます。
次に、Aのストロボのみ発光させてみます。すると先程とは一転して、このように背景が暗くチョコレートみたいな雰囲気になります。白ホリでもこんな風になります。肉眼で見ている景色とはかなり異なるので、パッと見の印象が変わります。
最後に、Bのストロボのみ発光させてみます。今度は背景からの光のみなので被写体自体は少し暗くなりました。その代わり、くまちゃんのふわふわした「素材感」が伝わりやすい写真になったかと思います。アパレルなど素材感を表現したい撮影の時などは有効です。このままでも良いと思いますが、レフ板などを被写体とカメラの間に置いてあげて、被写体に少し光が回るようにしてもいいと思います。
今回はストロボの電源オンオフだけで3パターン撮れますという話の一例でした。撮影時間が限られている時やバリエーションが欲しい時などに役立てられると思いますし、予めこんな写真になるんだ〜っとイメージ出来ていると、スムーズにライティングが組めるようになると思います。
ぜひ試してみてください!
<協力>
KINGレイナ(くまちゃんの飼い主)